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2025.03.06
立誠コラム
2025年「洛北附属中」適性検査と面接の分析
適性をみる検査Ⅰ(国語分野)について
京都府立洛北高校附属中学校(以下:洛北中)の国語分野は、学校創設時から、その出題傾向が一貫しています。社会科学に関する論説文が1題、自然科学の論説文が1題、そして最後に「作文」です。その形態が変更されたことは、今までに一度もありません。
作文は毎年きまって、「361字以上、450字以内の意見文」が出題されます。今年のテーマは、以下の通り。
学習をしている中で、「わかる」という言葉がよく使われます。あなたは、「わかる」とはどのようなことであると考えますか。また、そのように考えるのはなぜですか。あなたがこれまでに体験したことをもとに、具体的な例を挙げて書きなさい。
受験作文を「正しく」教わり、トレーニングを重ねてきた受験生にとっては、まさしく「受験作文の王道」で、書きやすい課題だったのではないでしょうか。
社会科学に関する文章もまた、今年の西京中と類似して、「西洋の建築」と「日本の建築」の対比から論旨が展開されるという、これも受験生にとってはおなじみの論理構成であり、さらに「空間の意味」を、家族、共同体、といった観点から捉え直すとなれば、これはもう『受験新演習』掲載の文章そのものです。
ただし、今年の受験者が口を揃えて言うには「時間が足りなかった」とのこと。なかには、作文を書ききれずに手がふるえた、という子もいました。
西京中に比べ、洛北中は「サイエンス」という教育理念にあいまってか、国語よりも理数系を得意とする生徒が多いようです(京都大学の「学部別合格実績」が物語っていますね)。ひるがえっていえば、どちらかといえば国語が不得手な子が受験するわけで、そういった子に対しては、やはり洛北中の問題は「難問」と言えます。
以下、テクニックをひとつだけ、お伝えします。
洛北中の「適性をみる検査Ⅰ」は、最後の作文から取り組むこと。ただし15分以上はかけすぎです。
立誠学院グループでは、この「361字以上450字以内」の作文を『13分作文トレーニング』と称し、数え切れないことのトレーニングを重ねます。国語の担当者が「満点!」とたたえた、かつての先輩たちの作文も膨大にストックされてあり、それもまた受験生にとっては貴重な練習材料です。
適性をみる検査Ⅱ(理科・社会分野)について
洛北中は「京都府立」洛北中であり、同じく「京都府立」である南陽中、園部中といった学校と、問題を共有しています。
そのため、洛北中の理科・社会は、難関校に向けて着実に学力を積み上げてきた生徒にとっては易しいようで、年によっては「100点」や「1問間違い」、「2問間違い」といった生徒が多く現れます。
後半では「立体図形」のパズルが復活し、「条件をもとに解く問題」が出題されました。前半とうってかわって、いかにも「適性検査らしい問題」が並んでいます。
いずれにせよ「解ける問題から」「すばやく、合理的に」処理する力が必要です。立体パズルが解けない、と悩むよりも、まずは計算の速度・精度を高めましょう。
適性をみる検査Ⅲ(理科・社会分野)について
受験生にとっては「あれほど理科や社会の勉強に時間を費やしたのに、知識を問う問題が少ない」「歴史の年号や、日本の山地や平野、農作物をたくさん覚えたのに・・・」という感情を抱いたと思います。
たしかに、文章や資料を読んで、その情報をとらえる問題も多々ありますが、しかし、よく分析すれば、歴史や日本地理、生物、地学の、深い知識を問おうする出題意図は、昔も今も変わりません。
一問一答形式で、ただ年号や人物名、理科の語句を覚えるだけでは駄目。一方、思考力を発展的に問う問題の対策ばかりに傾斜するのもよくありません。十分な知識を得ると同時に、それを活かすためのトレーニングを行う、そのバランスが大切です。
正しく勉強すれば、1年間の勉強で、90点は超えるはず。それが洛北中の理科・社会です。

(上記は、今年度の、洛北中学校の適性検査問題の実物です。体裁とレイアウトはいずれも例年通りでしたが、文章の「フォント」が「細字」に変更されました。ひと教室の受験者は24人。シャープペンシルはOKだけど、替え芯の使用は不可。腕時計は「アップルウォッチ」等、通信機能が付いているものは取り上げられました)
面接について
面接官2人に対して、受験者4人。
聞かれたことは、①志望動機、②小学校の授業で感動的だったこと、または面白かったこと、③あなたが相手と話す時に気をつけていること。
入室時のノックや挨拶の有無、、待機時間の様子なども、例年通りでした。(詳細はお訊ねくださいね)
最後に
服装は何でもかまいません。ブレザーを着て合格した子もいれば、カジュアルな服装で合格した子もいます。
小学校の成績が悪くても、当日のテストと面接で挽回できます(ただし「がんばろう」がついている科目があると、良くありません)。
その他、当日の休み時間の過ごし方、持ち物、その他もろもろ、どれほど細かな疑問点であっても、すべて立誠学院グループにご相談くださいね。