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2025.02.16
立誠コラム
2025年「西京附属中」適性検査と面接の分析
適性をみる検査Ⅰ(国語分野)について
京都市立西京高校附属中学校(以下・西京中)の、今年(2025年・令和7年)の論説文のテーマは「日本人の自然感について」。そして、その後に続く対話文は「西洋と日本の自然感の違い」に関するものでした。
西洋の自然感と、日本の自然感の違いは、受験生にとっておなじみのテーマです。もちろん、立誠学院グループでも「アニミズム文化論」として、繰り返し取り上げました。(立誠学院の、合格者の国語の点数が非常に高かったのは、その成果に他なりません)
おなじみの小論文は150字から200字。一段落目で文章を要約(筆者の伝えたいことをまとめる)し、二段落目で自分の考えを述べる、という、数年来の形式が踏襲されました。
かつての西京中では、記述問題が大部分を占め、主に文章力が問われる傾向にありましたが、今年度は特に、記号問題も多く見られました。さらには「漢字」「熟語」「ことわざ」といった日本語の知識を問う問題が並んでいます。思考力と表現力に傾斜していた「適性をみる検査」は、現在、さらに広範な観点から、偏り無く、受験生の国語力を、真正面から捉えようとしている、その現れです。
すなわち、「西京中の国語は独特だから~」という時代は過ぎました。「適性検査」であることに過度にこだわるのではなく(作文のトレーニングばかりに傾斜する、等)、一般的な難関私立中に向けての勉強が、そのまま西京中の受験勉強にも通用するようになった、そういう年度でした。
なお、立誠学院グループの受験生は、80点を越えた生徒ばかりでした。正しく勉強してきた受験生にとっては、国語が易しい年であった、と言えます。
適性をみる検査Ⅱ(算数分野)について
前半は、まるで「五ツ木・駸々堂模試」のように、「水量」「計算」「角度」「資料」といった各単元が、小問の形態で出題されました。それらの出題は、まるで私立中学校の入試問題のようです。そして今年も、「速さ」についての問題が、ダイヤグラムとともに出題されました(「速さ」については、近年連続している出題形式です)。
それぞれの難易度は高くありませんが、問題量が非常に多いため、時間が足りなかった、時間配分を誤った、という受験生が多くいるはずです(合格者の感想も「時間がない!」というものでした)。
後半では「立体図形」のパズルが復活し、「条件をもとに解く問題」が出題されました。前半とうってかわって、いかにも「適性検査らしい問題」が並んでいます。
いずれにせよ「解ける問題から」「すばやく、合理的に」処理する力が必要です。立体パズルが解けない、と悩むよりも、まずは計算の速度・精度を高めましょう。
適性をみる検査Ⅲ(理科・社会分野)について
受験生にとっては「あれほど理科や社会の勉強に時間を費やしたのに、知識を問う問題が少ない」「歴史の年号や、日本の山地や平野、農作物をたくさん覚えたのに・・・」という感情を抱いたと思います。
たしかに、文章や資料を読んで、その情報をとらえる問題も多々ありますが、しかし、よく分析すれば、歴史や日本地理、生物、地学の、深い知識を問おうする出題意図は、昔も今も変わりません。
一問一答形式で、ただ年号や人物名、理科の語句を覚えるだけでは駄目。一方、思考力を発展的に問う問題の対策ばかりに傾斜するのもよくありません。十分な知識を得ると同時に、それを活かすためのトレーニングを行う、そのバランスが大切です。

(上記は、受験を終えた生徒たちが、来年度の受験生にむけて書いてくれた「アドバイス」です。他の子の服装はどうだったか、テスト中の注意点はなにか、面接までの待ち時間はどのくらいか、その際の心構え、そしてその内容は、・・・と、毎年、きわめて細かいところまで報告してくれます)
面接について
面接官2人に対して、受験者が3~4人、というグループ面接です。廊下で待機している間に、質問が書かれた紙が机に置かれていたようです。
【質問1】あなたのグループは校外学習に行きます。10人のうち、お店に行きたい人が6人、工場に行きたい人が4人います。Aさんは多数決で決めようと言いました。あなたは多数決で決めることに賛成ですか、反対ですか。その理由も含めて答えなさい。
上記のほか、「志望動機」「グループ学習で心がけていること」が質問されました(志望動機は、長すぎると試験官に止められますよ)。
「賛成か反対か、で答える問題には『譲歩構文』で答えよ」というトレーニングを重ねてきた、立誠学院グループの「西京・洛北中専門コース」の生徒にとっては、「練習通り」だったのではないでしょうか。
最後に
合格できたらいいな、という気持ちで勉強している子は、まず結果を出せません。
合格できなかったらどうしよう、と焦り、必死になっている子の中から、合格者は現れます。
やる気を与えてもらうのも、学習塾の存在意義です。受験を検討しておられる方は、よければぜひ、立誠学院グループの「看板コース」である、当コースを体験ください。